2024年(令和6年)は能登半島地震が発生し、全国各地で豪雨災害も相次いだ年でした。災害はいつどこで起きるか分からない時代です。           

 日本医師会には被災者の生命や健康を守るために全国各地の医療チームを被災地に派遣するJMAT(日本医師会災害医療チーム)という組織があります。開業医が被災地に行きたい場合は自院の医療提供も継続できるよう、大学病院などから代替医師の派遣を行うなどシステムの整備も大事になります。

 昨年は医師の働き方改革が始まった年でもありました。患者さんを相手にした仕事ですから、時間で区切って業務の手を止めることはできません。一方で、医療者の健康を守ることも大事です。地域医療を守るため、今後も具体的な改善策を明らかにしながら対応していきたいと思います。

 本県では医師不足も長年の課題です。特に産婦人科・小児科などで不足し、地域遍在もあります。この問題はさまざまな調整が必要なためすぐに解決することは難しいですが、改善に向けて日本医師会と連携して取組んでいきます。

 高齢化社会にあって、在宅医療への対応も重要です。患者さんは深夜や夜間、休日に体調を崩すことも多く、対応できるドクターは限られています。在宅医療に取り組む医師が増えるように体制整備に一層力を入れていきます。

 本県は県行政と岩手医科大学、県医師会の連携の強さが特長です。新興感染症にも迅速に対応できるよう体制を維持し、「県民の安全と安心を守る」を最大の使命として取り組んでまいります。

2025年(令和7年)1月

一般社団法人岩手県医師会
会長  本間 博