マダニに気をつけましょう 高木丘クリニック 佐藤 寧
リケッチアと言う恐ろしい病原体がいます。ツツガ虫病を起こすのもリケッチアの一種です。日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)という聞き慣れない病気の原因にもなります。
日本紅斑熱は、主に西日本において夏から秋にかけて発生していましたが、昨年、東北地方で初めて青森県で発生し、今年8月には仙台で2例目の報告がありました。
症状は、激しい頭痛、高熱、発疹(米粒大の紅斑、かゆみが無いのが特徴)、そして虫による刺し口などがみられます。
実は、日本紅斑熱を起こす犯人は川原や畑、野山に潜むマダニなのです。マダニがリケッチアを媒介するのです。東北地方でもこれから増えると予想されています。
熱と発疹を生ずる病気は他にも多く、診断がつかないことがあり、治療が遅れると致命的になる可能性があります。テトラサイクリン系の抗生物質という特効薬がありますので、畑仕事や山歩きの後で、発熱し、紅い斑点が生じたとしたら、我慢は禁物です。刺し口があれば必ず医者に診せましょう。