低温熱傷 三浦医院 三浦良雄
一年中を通して火傷(医療では熱傷といいます)はありますが、家庭での火傷は、お湯をこぼした、ストーブに触ってしまった、など原因もいろいろあります。
しかし、なんといってもやっかいなのが冬に使用する「あんか」「湯たんぽ」で受傷するいわゆる低温熱傷です。普段、短時間の接触では何も問題とならない程度の温度で、長時間にわたって接触部に作用する熱によって、深い皮膚損傷となるもので、低い作用温度でも作用時間が長くなればなるほど深い熱傷となります。人間の皮膚組織では45℃の温度で4-5時間。50℃では15分で傷害となります。低温熱傷の範囲は非常に小さいことが多いのですが、深い火傷になります。火傷の重症度は、T度(皮膚浅層まで)、U度(皮膚浅層以上)、V度(皮膚を越えるもの)と3つに分かれます。低温熱傷の多くはV度となり、治療期間がとても長くかかってしまいます。
湯たんぽ、あんかを使うときは、わくわくし、暖かい布団に入るのがとても楽しみなものですが、使用するときはお湯などの温度、湯たんぽを包むタオルなどの量を加減し、くれぐれも低温熱傷を起こさないようにご注意下さい。もし受傷したら、小さいからと放っておかず、必ず近くの病院に行きましょう。