観便のすすめ                 藤巻胃腸科内科クリニック 藤巻英二

 (注…お食事前には読まないように!!)
 お腹の調子の悪い方に「便の色は?」と聞いても、案外、無頓着な人が多いようです。水洗トイレでないので分からないという方もいますが、もちろん拭き取ったものを確認すれば良いのです。
○タール便…胃から十二指腸の出血:ほとんどが潰瘍(かいよう)。
○新鮮血便…大腸下部から肛門の出血。
○暗赤色便…大腸深部(口側)の出血。
○白色便…胆汁の通り道が詰まっているか、肝臓の障害。
  ※イカスミ、造血剤などの薬、バリウムなども、便の色に影響を与えます。
 潰瘍からの出血は、緊急内視鏡(カメラ)検査で内視鏡を通して治療ができるようになり、手術することはほとんどなくなりました。大出血では命取りになることがありますので、出来るだけ早く専門医を受診しましょう。
 血性の下痢は、O-157に限らずいろいろな大腸炎で起こりますので、便の細菌検査などの精密検査が必要です。排便後の出血は痔(じ)のことが多いのですが、直腸がんのこともありますので、一度は確認の検査をしましょう。大腸がん検診では便のわずかな血の反応を検出するのですが、胃からの出血は変性で陽性に出にくい性質を利用しています。
 観便簡便な自己診断法です。汚いと言わずに実行しましょう。