「肝臓に休息を」 中舘内科クリニック 中舘一郎
年末年始、嫌でもお酒と付き合うことの多い季節です。楽しく食べながら適量を飲む。これはむしろ長寿につながるものとも思えます。しかし、毎日惰性で多量に摂取するのはやはり良くないことです。良くないとわかっていても仕事や付き合いなど、なかなか断れないのも本当です。
肝臓や心臓、腎臓などは一生涯休むことなく働き続けます。その大切な臓器に休息を与える方法は何でしょうか。心臓であれば、激しい運動を避けて静かに過ごすということになるでしょう。肝臓はさまざまな働きを持っていますが、お酒に関して言えば、やはりお酒を控えることが一番です。一回の量を少なくする、休む日を作る、食べすぎを控えるなどでしょう。ウコンなどもお酒の肝障害に良いとされていますが、解毒剤ではありません。ほかにはビタミンを摂取すること、十分な睡眠をとることなどがあげられます。
肝臓はへばっても痛みなどの悲鳴をあげることはありません。無症状でいることが多いのです。よほどひどい状態になってから初めて、だるさや黄疸などの症状が出現しますが、そうなってからでは手遅れです。
「仕事の後の自分へのご褒美」。よくわかりますが、上手に飲んで、長く楽しくお酒と付き合っていただきたいものです。