非常に多い病気「逆流性食道炎」藤巻胃腸科内科クリニック 藤巻英二

 「逆流性食道炎」は、働き過ぎて腰の曲がってしまった高齢女性に多い病気です。草取りなどの前かがみの仕事や、食べ過ぎた時に胸やけがあれば、この病気と考えて良いでしょう。胃の上部が横隔膜を超えて胸まで上がり、食道との境界のしまりが悪くなり、胃酸が食道に逆流するために起こります。バリウムによる胃透視検査では、食道の炎症や潰瘍を写し出すないことは難しく、正確な診断には内視鏡検査が必要です(高齢の方には胃透視より内視鏡の方がはるかに楽なはずです)。予防は腰が曲がらないように、骨そしょう症対策が大切です(「骨そしょう症はこわくない」の項参照)。腰痛バンドのしめすぎも原因になりますので、動かない時は緩めるようにしましよう。
 男性では食べ過ぎ・飲み過ぎでお腹の出た人に本症が多く、一種の生活習慣病ですので、ダイエットに努めるべきです。
 いずれにしても現在は、非常に切れの良い薬が開発されていますので、早めに胃腸科の医師に相談して下さい。我慢しすぎると、出血のため貧血を起こしたり、食道が狭くなることがあります。