ウイルス肝炎の最近の治療  岩手医大花巻温泉病院 内科 佐藤慎一郎

ウイルス性肝炎にはB型肝炎、C型肝炎があり、どちらもウイルスの感染でおきる病気です。最近ではウイルスを減らしたり、消したりして病気を良くする治療が進歩しています。
 B型肝炎には数年前から、ラミブジンというウイルスを減らす内服薬が使われています。多くの人に効果がありますが、完全にウイルスを消すことはできないため、長期間飲み続ける必要があります。困るのはその間に体内のウイルスが変異して、薬が効きにくくなることでした。最近、このような時に使うアデホビルという薬が出来たので治療がしやすくなりました。
 C型肝炎の治療薬として、以前からインターフェロンがあります。これは注射薬で週に3回程度病院に通わなければなりませんでしたが、今は週に1回の注射でよいインターフェロンがあります。通院が少なくてすむだけでなく、発熱などの副作用も従来より軽くなり、さらに治療効果も以前に比べ大分高くなっています。ウイルス量の多い方でも1年使うと、50%の確率でウイルスを消すことができます。
 また、瀉血療法がC型肝炎の治療として認められ、治療の選択肢が増えました。ウイルスを消す効果はありませんが、肝機能を落ち着けることができます。