メタポリックシンドローム 花巻厚生病院 消化器科 石井 基嗣、田澤 秀樹
過食・運動不足により、内臓脂肪が蓄積し、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を「メタポリックシンドローム」といい、治療の対象として、考えられるようになっています。また、メタポリックシンドロームの人は、動脈硬化の危険因子である肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症を重複して、発症していることがあります。
最近の研究で、たとえ異常の程度は軽くても、複数の危険因子が重複していると、動脈硬化による循環器病 (心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など) が起きやすくなると、分かってきました。
内臓脂肪型肥満を簡単に調べる方法として、へその高さでのウェスト周囲径が、男性では85cm以上、女性では90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われます。内臓脂肪を減らすには、食事・運動療法を行い、生活習慣の偏りを是正することが第一です。動脈硬化にならないために、メタポリックシンドロームの段階で、改善しておきましょう。