「トロロ」のすすめ   宮内婦人科心療内科クリニック  宮内 茂壽

 トロロイモ(ヤマイモ)の「しゅん」は1月。これからトロロの美味しい季節になります。トロロに限らず、食べ物は「しゅん」の物を食べるのが一番健康的であることは言うまでもありません。
 さて、このトロロイモは俗称で、一般的にはヤマノイモ(ヤマイモ)、あるいはジネンジョ(自然薯)とも呼ばれています。冬山から掘り出したジネンジョが最も一般的ですが、現在は栽培種もあります。トロロはこれをすりおろしたものでトロトロになることからトロロの名前がついたようです。トロロは古来「山薬」とも呼ばれ、麦ゴハンにかけると「麦トロ」、卵黄を落として「月見いも」、マグロのぶつ切りにかけて「山かけ」とメニューも様々ですが、年末年始にかけての過食で疲れたお腹には、消化の良いヤマイモは最適な食物といえます。
 またヤマイモは消化酵素であるジアスターゼを多量に含んでいるので消化吸収にすぐれ、新陳代謝を良くする働きもあって気力の低下した人にも良く、このためトロロは精力剤ともいわれます。さらにビタミンCの含有量はリンゴより多く、カロリーが少ないため肥満症の人にもお勧めです。
 食べ方の注意として、トロロ飯は美昧しいので食べ過ぎないこと、また胃のもたれる人、お腹の張る人は、煮て食べるほうが良いようです。