肺結核について 湯本診療所 佐藤 全紀
肺結核は結核菌が肺で増殖すると起こる病気です。感染経路は飛沫(まつ)感染で、患者さんの咳やくしゃみなどにより飛び散った菌が、肺へ届くと感染します。しかし、免疫力が正常であれば感染者が一生の内に発症するのは10〜20%と言われ、全員が発症するのではありません。
免疫力が低下する原因としては糖尿病、胃切除など大きな手術の既往、高齢、ステロイド薬や抗癌剤や免疫抑制薬の使用、悪性腫瘍、人工透析、多量喫煙、HIV感染などがあります。日本では高齢者ほど結核催患率が高く、免疫力が低下してきた際に再燃する場合があります。
症状としては咳、痰、血痰、微熱、胸痛、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、息切れなどがあります。特に2週間以上咳、痰が続くような場合には医療機関で受診することをお勧めします。検診で胸部]線検査の対象になつている方は忘れずに検査を受けることも大切です。
日頃から免疫力が低下しないように、規則的な生活を心掛けましょう。