頭痛(頭やみ)の話        花巻厚生病院 副院長・脳神経外科 遠藤英雄


 脳外科を受診する方の60〜70%が頭痛で来院します。症状は、@シクシクする、しめつけられる感じ、何かかぶったような感じなどの軽いものから、Aズキンズキン脈打つ感じやガンガンする痛み、さらにはB割れるような激痛、ハンマーで殴られたような強度の頭痛まで、程度はさまざまです。
 @は肩こりや首の痛みとも相関し、筋肉や神経の緊張、刺激によるものです。生活環境を変えたり、運動、ストレス発散で十分ですが、長引くときには緊張をほぐす薬が有効です。
 Aは通常、頭の外の血管(皮膚や筋肉の中を通る)が広がったり、縮んだりすることで起こる頭痛であり、専門医の診断と治療が必要です(特効薬もあります)。このタイプの頭痛は、昔から片頭痛、血管性頭痛などと呼ばれ、女性の場合は母親からの遺伝要因もあり、天候や季節、過労、ストレス、食事、嗜好品(チョコレート、タバコ)など種々の要因も重要です。原因除去が一番の対策ですが、早めの薬の投与が大切です。
 Bはクモ膜下出血や脳動脈瘤(りゅう)、脳出血など脳の血管に重大な病気がありますので、至急専門医を受診してください。緊急治療が必要です。
 @、Aもときに脳腫瘍など重大な病気が潜んでいることもあるので、長期化したときは専門医へどうぞ。