脳ドックを知っていますか? 県立花巻厚生病院副院長 遠藤英雄
脳ドックとは、脳卒中やクモ膜下出血などが発病する前に、いろいろな検査機器を用い、病気の予防と早期発見をするための検診です。
以前は、突然倒れて救急車で運ばれるような状態になるまでわからなかった脳の病気も、現在では一大事になる前に発見し、予防的治療ができるようになりました。
自分では気付かない小さな脳梗塞(こうそく)や、脳の血管のコブ(コブが破れるとクモ膜下出血になります)も検診で発見できるようになりました。特にクモ膜下出血は、発症するときバットで殴られたような、激しい頭痛があると言われています。クモ膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう)(破れていないコブ)は脳ドック受診者の3.8%に発見されていて、手術による予防的治療を受ける方もいます。
突然の発作で倒れる前に、現在の脳の状態を知っておくことは、自分そして家族にとっても大事なことです。普段見えない場所だからこそ、大きな病気が隠れている可能性もあるのです。血縁でクモ膜下出血になった方がいる場合は、まったく関係ない方よりも、脳動脈瘤の発生率は約8〜9倍高いというデータも出ているので注意が必要です。