「突発性難聴」                  小原耳鼻咽喉科医院 小原能和

 ある日突然、思い当たることもないのに、片方の耳が聞こえなくなる病気です。
 難聴以外にも症状はさまざまで、山に登ったときやトンネルに入ったときなどに感じる耳の閉塞感、耳鳴りで発症したり、めまいをともなうこともあります。
 鼓膜は正常で、レントゲンでも異常が発見されない「内耳」と呼ばれる聴こえの神経の障害であることは解っていますが、原因は不明です。
 内耳の障害は「老人性難聴」をはじめ、治療困難な病気が多いのですが、「早期に治療を開始したものほど改善率が高い」ということが突発性難聴の特徴です。早ければ早いほど改善率は高く、発症から二週間以上経過すると改善率は格段に低下してしまいます。
 治療は、難聴が高度の場合には入院治療が必要なこともありますが、多くは、内服薬のほかに数日間の点滴治療が必要なこともあります。時間的な制約を受けますが通院治療が可能です。
 「あれ、たいへんだ、でももう少し様子をみるか」が治せる病気を治せなくしてしまうことがあるので、異常を感じた場合は早期に診てもらうことが大切です。