体の強度問題  総合花巻病院 整形外科 佐藤正俊

いま世間を騒がせているマンションの構造計画書偽装問題は、大変深刻な事件ですが、これは他人事ではありません。住まいも大事ですが、もっと大事な自分自身の体の強度にも、関心を持たなければなりません。
 骨粗鬆症は、骨の量が減ってもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨は絶えず古い部分を壊し、新しい骨を作ってリフォームしています。骨を壊す量が、作る量を上回ると骨粗鬆症になります。特に女性は、女性ホルモンが減少する閉経を境に急激に減少するのが一般的です。問題は骨がもろくなると、背骨や大腿骨の骨折を生じやすくなり、寝たきりの原因になります。
 検査にはおもに整形外科外来で行っている腰のレントゲンによる骨密度測定などがあります。平均で若い人より、20%以上骨密度が低下すると、骨粗鬆症となります。予防と治療としては、骨のもととなるカルシウムやビタミンDを含んだ魚や牛乳の摂取を心がけ、カルシウムを骨に蓄えるために適切な運動をお勧めします。また、骨を壊す細胞の働きを弱める薬なども使用されています。
 いま一度、ご自身の体の強度を測定して、自分自身の体の構造計画書を作成してみてはいかがでしょう。