インフルエンザについて                 大沼小児科医院 大沼一夫


 インフルエンザはA型香港、A型ソ連、B型の三種が主なウイルスです。どの型も高熱が1-4日持続し、筋肉、関節痛と全身倦怠感が強いのが特徴です。一般に高齢者や心不全、慢性気管支炎、ぜん息、糖尿病、腎不全などの基礎疾患を持っている人は、インフルエンザで亡くなる割合が高く要注意です。
 予防にはインフルエンザワクチンが一番で、子どもは1-4週あけて二回、大人は特に六十五歳以上の人は一回で効果があります。治療はA型インフルエンザにはアマンタジンが有効、A型、B型両方に効くザナミビル(吸入剤)、オセルタミビルがあります。
 いずれも、発症から四十八時間以内に投与すれば有効性を発揮します。子どものインフルエンザでは脳炎、脳症の発症が問題になりますが、発症した場合、解熱剤のジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)は致命率が有意差をもって高くなっています。
 メフェナム酸(ポンタール)ははっきりしませんが、慎重投与が望ましいです。アスピリン(小児用バファリン、サリチゾンなど)はインフルエンザ、水痘に使用するとライ症候群(脳炎、脳症)の原因といわれていますので、15歳以下には使用しない方が望ましいです。アセトアミノフェンが安全です。