乳房検診について 総合花巻病院 外科 橋本 有
近年、日本でも生活習慣の欧米化に伴い乳がんの罹患率が上昇しており、40歳代後半と60歳代前半に罹患年齢のピークがあります。また、90歳になるまでに8人に1人の女性が乳がんに罹患するといわれています。
乳がんの危険因子として@30歳以上で未婚、A30歳以上での初産、B11歳以下での早い初潮、C55歳以上での遅い閉経、D標準体重の+20%以上の肥満、E良性乳腺疾患の既往歴、F乳がんの家族歴などが指摘されています。
乳がん検診にマンモグラフィーを導入することによって、触診では触知されない早期乳がんの診断率が上がり、死亡率の減少に効果があることが明らかになりました。平成16年4月に厚生労働省が「40歳以上の女性は2年に1回のマンモグラフィー併用検診の受診」を提唱しています。
当花巻地区での乳がん検診率は、まだ20%程度に止まっています。すなわち、5人中4人の女性は乳がんを早期に発見できる機会を自ら失っているといえます。
乳がんから自分の命を守るためには、日ごろから乳房の自己触診を行い、定期的な乳がん検診を受けることをお勧めします。