再び前立腺がんについて(2) 小原クリニック 小原 紀彰

 花巻市は50歳以上の男性を対象に前立腺がん健診(血液検査)を実施しています。平成11年度は希望者、平成13年度からは有料で進めています。
 前立腺は男性の勝胱の出口、尿道の始まりの部分を取り囲んでいるクルミ大の臓器で精液の一部を作っています。構造はみかんに似ていて皮の部分を外腺、実の部分を内腺と称し、前立腺がんは皮の部分から発生し、夏みかんのように分厚く凸凹になってきます。前立腺がんが進行すると骨や骨盤内のリンパ節に転移し、骨に転移した場合は腰痛などの症状が現れます。
 検査はまず血液検査(PSA)を行い、数値が40以上の方にお知らせが届きます。その後精密検査(前立腺生検など)を行い、がんかどうかの確定をします。ちなみに毎年3,200人の方が受診し、要精密検査となる方が200人、前立腺がんが30人、疑いは15人程度となっています。
 前立腺がんに対する治療は有効で、特に早期がんの方には効果があります。
 初期は手術か放射線療法かホルモン療法、中期はホルモン療法+放射線療法(小線源療法など)、晩期はホルモン療法を行います。
 元気で過ごす上でも、症状が現れる前の早期発見、早期治療をお勧めします。